1. 建設業許可の基本と必要性
建設業を営むには、一定の条件を満たした上で建設業許可を取得する必要があります。特に、500万円(税込)以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)を請け負う場合、無許可での施工は法律で禁止されています。許可を取得することで、次のようなメリットがあります。
- 信用力の向上:取引先や金融機関からの信頼を得やすくなります。
- 事業の拡大が可能:公共工事への入札や大規模工事の受注が可能になります。
- 法令遵守の証明:法的に適正な事業運営を行っている証となります。
2. 建設業許可を取得するための7つの要件
建設業許可を取得するには、以下の7つの要件を満たす必要があります。
(1) 誠実性要件
建設業を適正に運営するため、誠実に事業を行うことが求められます。不正な行為や契約違反を繰り返す業者には許可が与えられません。
(2) 欠格要件
過去に重大な法律違反を犯した場合、建設業許可を取得できません。具体的には、次のようなケースが該当します。
- 禁錮刑や罰金刑を受けたことがある
- 過去に建設業許可を取り消された経験がある
- 暴力団関係者である
(3) 財産的基礎要件
経営の安定性を確保するため、一定の財産的基盤が必要です。以下のいずれかの方法で、500万円以上の資産を有していることを証明する必要があります。
- 直近の決算書の純資産額が500万円以上であること
- 銀行の預金残高証明書で500万円以上を保有していること
(4) 社会保険の加入要件
建設業許可を取得するには、社会保険への適切な加入が求められます。対象となる社会保険は以下の3つです。
- 健康保険(協会けんぽや組合健保など)
- 厚生年金保険
- 雇用保険(週20時間以上勤務する労働者を雇用している場合)
(5) 営業所の要件
建設業の営業所には、以下の条件を満たす必要があります。
- 建設工事の契約を締結できる専用スペースがあること
- プライバシーが確保された環境であること
- 携帯電話ではなく固定電話が設置されていること(自治体による)
(6) 専任技術者の要件
許可を取得する業種に応じた技術者を営業所ごとに配置する必要があります。専任技術者として認められるためには、以下のいずれかの条件を満たすことが求められます。
- 10年以上の実務経験がある
- 指定学科を卒業し、一定の実務経験がある
- 関連する国家資格や検定試験に合格している
(7) 経営業務の管理責任者の要件
建設業の経営に関する経験がある「経営業務の管理責任者(経管)」を設置する必要があります。経管として認められるには、次の条件を満たさなければなりません。
- 5年以上の建設業経営経験がある
- 役員や個人事業主として建設業の経営に関与していた
3. 申請時の注意点と手続きの流れ
(1) 必要書類
建設業許可申請には、以下のような書類が必要になります。
- 許可申請書
- 事業計画書
- 資産証明書(決算書や残高証明書)
- 社会保険の加入証明書
- 役員や専任技術者の経歴証明書
- 営業所の所在地を証明する書類(賃貸契約書など)
(2) 申請の流れ
- 事前準備:要件を満たしているか確認し、必要書類を揃える
- 申請書の提出:都道府県の建設業許可窓口に申請を行う
- 審査:書類審査と実態調査が行われる
- 許可の取得:通常、申請から許可取得まで約1〜2ヶ月かかる
4. まとめ
建設業許可を取得することで、500万円以上の工事を請け負うことが可能になり、信用力の向上にもつながります。許可を取得するためには、7つの要件を満たす必要があり、財産証明や専任技術者の配置などが求められます。申請手続きは複雑なため、事前に要件を確認し、スムーズに準備を進めることが重要です。
建設業許可の取得に関するご相談や手続きのサポートが必要な場合は、専門家に相談することをおすすめします。


