経審(経営事項審査)とは?建設業許可との違いと重要性

建設業許可

1. 経審(経営事項審査)とは?

経審(経営事項審査)とは、公共工事の入札に参加するために必要な審査です。正式名称は「経営事項審査」といい、建設業者が経営状況や技術力を客観的に評価されるための制度です。

公共工事は、国民の税金を使って行われるため、公正かつ適正な業者を選定する必要があります。経審は、そのための基準となるもので、建設業者の経営状況、技術力、社会性などを数値化し、客観的に評価します。

2. 建設業許可との違い

建設業許可と経審は、どちらも建設業を営む上で重要な制度ですが、その目的と内容が異なります。

項目建設業許可経審(経営事項審査)
目的建設業を営むための許可公共工事の入札参加資格を得るための審査
対象工事500万円以上の建設工事(建築一式工事は1,500万円以上または延べ面積150㎡以上の木造建築物)公共工事
審査内容経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎など経営状況、経営規模、技術力、社会性など
申請先都道府県知事または国土交通大臣登録経営状況分析機関、都道府県知事
有効期間5年間1年7ヶ月
更新の必要性必要必要

建設業許可は、建設業を営むための**「入場券」であり、経審は公共工事の入札に参加するための「参加資格」**と考えると分かりやすいでしょう。

3. 経審の重要性

経審は、公共工事への入札参加資格を得るためだけでなく、建設業者にとっても様々なメリットがあります。

  • 企業力の可視化:経審の結果は数値で示されるため、自社の経営状況や技術力を客観的に把握することができます。
  • 経営改善の指標:経審の結果を分析することで、経営上の課題や改善点を見つけることができます。
  • 企業イメージの向上:経審で高い評価を得ることは、企業の信頼性を高め、取引先や金融機関からの評価向上に繋がります。
  • 入札機会の拡大:経審の結果は、公共工事の入札参加資格のランク付けに利用されるため、高い評価を得ることでより多くの入札に参加できるようになります。

特に、中小規模の建設業者にとって、経審は自社の強みをアピールし、競争力を高めるための重要なツールとなります。

4. 経審の評価項目

経審では、以下の項目が評価されます。

  • (1)経営状況分析(Y):企業の財務状況を分析し、倒産リスクや経営の安定性を評価します。
  • (2)経営規模(X):企業の売上高や自己資本額などから、経営規模を評価します。
  • (3)技術力(Z):企業の技術職員数や建設工事の種類などから、技術力を評価します。
  • (4)その他(社会性等)(W):企業の社会保険加入状況、防災対策、労働福祉の状況など、社会性を評価します。

これらの評価項目を総合的に評価し、**総合評定値(P点)**が算出されます。このP点が高いほど、公共工事の入札で有利になります。

5. 経審対策

経審で高い評価を得るためには、以下の対策が重要です。

  • (1)財務状況の改善:経営状況分析(Y)で高い評価を得るためには、財務体質の強化が不可欠です。無駄なコストを削減し、収益性を高めることが重要です。
  • (2)技術力の強化:技術力(Z)で高い評価を得るためには、技術職員の増員や資格取得支援などが有効です。
  • (3)社会性の向上:社会保険への加入、防災対策、労働環境の改善など、社会性を高めるための取り組みを行うことが重要です。
  • (4)専門家への相談:経審対策は専門的な知識が必要となるため、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

6. まとめ

経審(経営事項審査)は、公共工事への入札参加資格を得るためだけでなく、建設業者の企業力を向上させるためにも重要な制度です。経審の結果を分析し、経営改善に役立てることで、企業の安定と発展に繋げることができます。

公共工事への参加を目指す建設業者の方はもちろん、事業の安定と発展を目指す全ての建設業者の方にとって、経審は避けて通れない道です。しっかりと対策を行い、企業価値を高めていきましょう。