育成就労制度とは?建設業での活用と注意点(技能実習制度からの移行)

建設業許可

建設業界の深刻な人手不足を背景に、これまで外国人技能実習制度が活用されてきました。しかし、同制度には課題も多く、**新たに「育成就労制度」**が導入されることになりました。

この記事では、**2027年6月までに施行予定の「育成就労制度」**について、建設業での活用方法、受け入れのメリット・デメリット、注意点を詳しく解説します。


1. 育成就労制度とは?(技能実習制度からの移行)

育成就労制度は、従来の技能実習制度の問題点を解消し、外国人材を日本の労働力として受け入れながら育成することを目的とした制度です。

✅ 技能実習制度の問題点

従来の技能実習制度は、開発途上国への技能移転による国際貢献を目的としていました。しかし、以下のような問題が指摘されてきました。

  • **労働力不足の解消ではなく「国際貢献」**が目的のため、企業側の実態と合っていなかった
  • 低賃金労働人権侵害の懸念
  • 転籍が原則禁止されており、外国人材の自由な職業選択が制限されていた

✅ 育成就労制度の特徴

育成就労制度では、技能実習制度の課題を解決し、外国人を即戦力として活用しながら、特定技能への移行を促す仕組みになっています。

項目技能実習制度育成就労制度
目的技能移転による国際貢献労働力確保と人材育成
在留期間最長5年最長3年(特定技能に移行可能)
転籍原則禁止条件付きで可能
受入企業の義務技能指導が中心日本語学習支援・キャリア支援が義務化
終了後の進路母国への帰国が前提特定技能への移行を推奨

育成就労制度は、外国人材のキャリア形成と企業の労働力確保を両立させることを目的としています。


2. 建設業における育成就労の活用

育成就労制度は、人手不足が深刻な建設業界にとって特に有効な制度となります。

✅ 活用が期待される職種

建設業では、以下の職種での活用が見込まれています。

  • 型枠施工(コンクリート型枠の組立・解体)
  • 鉄筋施工(鉄筋コンクリートの補強作業)
  • とび(足場の組立・解体、重量物の運搬)
  • 土工(掘削、埋戻し、盛土など)
  • 建設機械施工(重機オペレーション、保守)
  • 内装仕上げ(クロス・床材の施工)
  • 防水施工(建物の防水処理)

これらの職種では、育成就労制度を活用することで「特定技能」へのステップアップも可能となります。


3. 育成就労者を受け入れるメリット

人手不足の解消
建設現場における労働力の確保が可能となります。

人材育成による戦力強化
外国人材を長期的に育成し、企業の戦力として活用できます。

企業の国際化・活性化
外国人材の受け入れを通じて、社内の多様性が向上し、新たな発展につながる可能性があります。

特定技能への移行が可能
育成就労者を特定技能に移行させることで、長期的な雇用が可能になります。


4. 育成就労者を受け入れるデメリット

受け入れ準備の負担
日本語教育、生活支援、キャリア支援が義務化されるため、企業側の負担が増えます。

コミュニケーションの課題
言語・文化の違いにより、意思疎通が難しい場面もある

管理・監督の負担
育成就労者の労働状況や生活環境を適切に管理する必要があります。

転籍のリスク
一定の条件を満たせば転籍が可能となるため、育成した人材が流出する可能性があります。


5. 育成就労者を受け入れる際の注意点

制度の目的を理解する
育成就労制度は、「国際貢献」と「労働力確保」の両方を目的としています。

適切な受け入れ計画を立てる
受け入れる人数、職種、期間などを慎重に検討しましょう。

監理団体との連携を強化する
信頼できる監理団体を選び、サポートを受けることが重要です。

労働基準法を遵守する
育成就労者も労働者として適正な条件で雇用する必要があります。

日本語教育を強化する
職場でのスムーズな業務遂行のために、日本語学習の機会を提供しましょう。

生活支援を徹底する
住居、医療、生活相談など、生活基盤をサポートする体制を整えましょう。

特定技能への移行支援を行う
育成就労者が特定技能に移行できるよう、試験対策や情報提供を行うことが求められます。


6. 今後の建設業における育成就労制度

育成就労制度の活用は、今後の建設業界の人手不足対策として重要な役割を果たします。

  • 特定技能制度との連携強化が進む
  • 受け入れ企業の支援義務が強化される
  • 転籍ルールの明確化が進む

適切な受け入れと管理を行うことで、企業と外国人材の双方にとって有益な制度となるでしょう。


7. まとめ

育成就労制度は「労働力確保」と「特定技能への育成」を目的とする制度
受け入れ企業は日本語教育や生活支援が義務化される
適切な受け入れ体制を整え、長期的な雇用へとつなげることが重要

最新情報を把握し、行政書士などの専門家に相談しながら、適切な制度活用を目指しましょう。