外国人雇用における労働基準法:建設業が注意すべきポイント

建設業許可

建設業界では外国人労働者の雇用が増加しており、人手不足の解消に大きく貢献しています。しかし、外国人労働者を雇用する際は、日本人労働者と同様に労働基準法を遵守することが求められます。

本記事では、建設業で外国人労働者を雇用する際に特に注意すべき労働基準法のポイントを解説します。労働時間、賃金、安全衛生、解雇などの各項目を理解し、法令違反を防ぐための対策を確認しましょう。


1. 労働時間・休憩・休日

労働基準法では、労働時間・休憩・休日について以下のように定められています。

✅ 労働時間

  • 1日8時間・週40時間を超えて労働させることは原則禁止
  • 時間外労働(残業)が必要な場合は、**「36協定」**を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要がある

✅ 休憩時間

  • 6時間を超える労働45分以上の休憩
  • 8時間を超える労働1時間以上の休憩
  • 休憩時間は労働時間の途中に与える必要があり、分割して与えることも可能

✅ 休日

  • 毎週1日以上の休日または4週間で4日以上の休日を確保

⚠ 外国人労働者の労働時間に関する注意点

労働時間管理の徹底 ➝ 時間外労働が発生する場合は適切な割増賃金を支払う
休憩時間の確保休憩場所の整備、休憩時間の周知を行う
休日の確保 ➝ 母国の祝日や文化的な事情も考慮する


2. 賃金のルールと注意点

労働基準法では、賃金の支払い方法や最低賃金について、以下のように定められています。

✅ 賃金の支払いルール

  • 毎月1回以上、一定期日に支払う
  • 通貨(日本円)で、全額を直接労働者へ支払う
  • 最低賃金法に基づき、都道府県ごとの最低賃金を下回らないようにする

✅ 割増賃金(残業・休日・深夜労働)

労働時間割増率
時間外労働(残業)25%以上
休日労働35%以上
深夜労働(22時~翌5時)25%以上

⚠ 外国人労働者の賃金に関する注意点

日本人と同等以上の賃金を保証する
賃金明細書を交付し、控除項目を明確にする(外国語対応も検討)
賃金の一部を母国に送金したい場合は、手続き方法をサポートする


3. 安全衛生管理

労働安全衛生法では、事業者に対して労働者の安全確保を義務付けています。

✅ 事業者の義務

  • 労働災害防止のための安全対策を実施
  • 安全衛生教育の実施(特に高所作業や重機操作)
  • 安全保護具(ヘルメット・安全帯など)の着用を徹底
  • 定期健康診断の実施(年1回以上)

⚠ 外国人労働者の安全衛生に関する注意点

安全教育の多言語化外国人が理解できる言語で教育を行う
安全標識の多言語化 ➝ 「危険」「立入禁止」などを母国語で表記
事故発生時の対応を周知労災申請や救急対応の手順を事前に説明


4. 解雇に関するルール

外国人労働者を解雇する場合、労働基準法の厳格なルールを守る必要があります。

✅ 解雇のルール

  • 解雇予告30日前に通知 or 30日分以上の解雇予告手当を支給
  • 解雇制限業務上の傷病で休業中産前産後休業中解雇できない
  • 合理的な理由のない解雇は無効

⚠ 外国人労働者の解雇に関する注意点

解雇理由を明確に説明し、文書で通知する
解雇予告手当を支払う(予告なしの即時解雇は原則違法)
在留資格の変更・転職支援を検討する(解雇後に在留資格を維持できるよう配慮)


5. その他の重要な注意点

労働契約の締結

  • 労働条件・賃金・労働時間などを明記した労働契約書を作成し、外国人労働者に理解できる言語で説明する

在留資格の確認

  • 外国人が適法に働ける在留資格を持っているかを入国管理局のサイト等で確認する
  • 不法就労者を雇用した場合、企業も処罰されるため注意

ハラスメントの防止

  • 文化の違いを理解し、不当な扱いや差別を防ぐための社内研修を実施
  • 外国人向けの相談窓口を設置し、問題があれば迅速に対応

文化的な配慮

  • 食文化・宗教・習慣に配慮した職場環境を整備(例:礼拝スペースの提供)
  • 外国人労働者が安心して働ける環境づくりを意識する

6. まとめ

外国人雇用における労働基準法の遵守は、企業にとって不可欠な責務です。

  • 労働時間・休日の管理を徹底する
  • 最低賃金・割増賃金を遵守する
  • 安全衛生対策を強化し、事故を防ぐ
  • 解雇時は法律を遵守し、トラブルを回避する
  • 労働契約・在留資格を適切に管理する

労働基準法を守ることで、外国人労働者との信頼関係を築き、企業の健全な発展につなげることができます。

法令遵守に不安がある場合は、行政書士や労務専門家に相談することをおすすめします。