1. CCUS未加入の現状
CCUS(建設キャリアアップシステム)は、2019年4月に本格稼働を開始しましたが、2025年現在でも、すべての建設業者が加入しているわけではありません。特に、中小規模の建設業者や、下請業者を中心に未加入の事業者が多く存在します。
(1)未加入の理由
- 導入コスト:登録料やカードリーダーの購入費用など、初期費用がかかる。
- 運用負荷:現場でのカード読み取りや就業履歴の記録など、運用に手間がかかる。
- メリットの実感不足:CCUS導入による具体的なメリットが分からない。
- 情報不足:CCUSに関する情報が不足している。
(2)CCUSの登録者数と普及状況
- 2024年11月末時点の国土交通省の発表では、技能者登録数は約156.5万人に達しています。
- 2023年度の統計によると、建設業に従事する技能者は約307万人とされています。
- 2024年7月時点の調査によると、建設業界全体の就業者数は約486万人に上ると報告されています。
2. CCUS未加入の建設業者が今後どうなる?
CCUSの普及が進むにつれて、CCUS未加入の建設業者は、以下のような影響を受ける可能性があります。
- (1)公共工事の入札参加制限: 一部の公共工事では、CCUSへの登録が必須条件または加点対象となっています。今後、この傾向はさらに強まると予想され、CCUS未加入の業者は入札参加機会を失う可能性があります。
- (2)技能者の確保難: 技能者は、自身のスキルや経験が正当に評価されるCCUS登録事業者を優先して選ぶ傾向があります。CCUS未加入の業者は、優秀な技能者を確保することが難しくなる可能性があります。
- (3)下請契約の制限: 元請業者から、CCUSへの登録を下請契約の条件とされる場合があります。CCUS未加入の業者は、下請契約を結ぶことができなくなる可能性があります。
- (4)企業イメージの低下: CCUS未加入の業者は、技能者の育成や処遇改善に積極的でないと見なされる可能性があり、企業のイメージが低下し、取引先からの信用を失う可能性があります。
- (5)競争力の低下: CCUSを活用することで、業務効率化やコスト削減が可能になります。CCUS未加入の業者は、CCUSを活用している業者に比べて競争力が低下する可能性があります。
3. CCUS未加入の建設業者が講じるべき対策
CCUS未加入の建設業者は、上記の状況を踏まえ、以下の対策を講じる必要があります。
- (1)CCUSへの登録: CCUSに登録することで、入札参加資格の維持、技能者の確保、下請契約の維持、企業イメージの向上、競争力維持など、さまざまなメリットを享受できます。
- (2)CCUS導入に向けた情報収集: CCUSの導入方法、費用、運用方法などについて情報を収集し、自社に合った導入計画を策定しましょう。
- (3)CCUS導入に向けた社内体制の整備: CCUSを導入・運用するための担当者を任命し、現場での運用体制を整備しましょう。
- (4)技能者への説明と理解: CCUSの導入目的やメリットを技能者に説明し、理解を得ましょう。
- (5)CCUS導入支援制度の活用: 国や自治体によっては、CCUS導入を支援する制度があります。積極的に活用しましょう。
- (6)専門家への相談: CCUS導入に関する疑問や不安がある場合は、行政書士や中小企業診断士などの専門家に相談しましょう。
4. 今後の展望
CCUSは、建設業界全体の生産性向上、技能者の処遇改善、人材育成を目的として、今後さらに普及が進むと予想されます。
(1)公共工事におけるCCUS活用義務化の拡大
公共工事におけるCCUS活用が義務化される範囲が拡大すると予想されます。
(2)民間工事におけるCCUS活用の促進
民間工事においても、CCUSを活用する事業者へのインセンティブ付与などが検討される可能性があります。
(3)CCUSと連携した新たなサービスの登場
CCUSに蓄積された情報を活用した、新たな金融サービスや保険サービスなどが登場する可能性があります。
これらの動向を踏まえ、CCUS未加入の建設業者は、早急にCCUSへの対応を検討し、将来を見据えた経営戦略を策定する必要があります。
5. まとめ
CCUSは、建設業界の未来を左右する重要なシステムです。CCUS未加入の建設業者は、今後ますます厳しい状況に置かれることが予想されます。
今こそ、CCUSへの対応を真剣に検討し、将来を見据えた経営戦略を策定することが重要です。
この記事が、CCUS未加入の建設業者が現状を理解し、対策を講じるための一助となれば幸いです。



